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大気中の炭酸ガスが直接固定されて燃料炭化水素が化学合成されたことの実証データご紹介

14Cの取り込み実験

空気中の炭酸ガス(CO2)の同位体比は12Cが約99%、13Cが約1%、14Cは約1兆分の1。12Cと13Cは安定同位体であるが、14Cは放射性炭素である。現在の空気中には14Cが極少量存在しているので、この14Cが合成石油中に含まれていることが証明できれば、大気中の炭酸ガスが固定されていると証明できる。なお14Cはβ-崩壊するので、これを測定すればよい。この14Cの半減期は約5700年である。化石燃料である石油は200万年以上にもわたる長期間地下で存在していたから、14Cは分解してしまっており、その量はゼロである。したがって、合成した石油に14Cが含まれていれば、大気中の炭酸ガスが固定されて石油になったといえる。

グラフ:大気中の炭酸ガスが直接固定されて石油を化学合成

市販の石油をもとに石油合成したのがAC1である。それをもとに2回目の石油合成したのがAC2である。これを10回繰り返した結果を赤丸で示した。それぞれについて、Ultima Gold F (PerkinElmer, USA)というカクテルと等量混合してから、液体シンチレーションカウンターでβ-崩壊を測定した結果が棒グラフである。石油合成回数を繰り返すたびに14Cの含量が増加していることが明らかになった。つまり大気中の炭酸ガスが直接石油合成に利用されていた。

各種気体分子の273Kでの根二乗平均速度

各種気体の0℃での根二乗平均速度(これは大体気体分子の移動速度)を示した表であるが、二酸化炭素の移動速度は約毎秒400mである。石油合成は大気中で行われているため、直接石油中に取り込まれていることと矛盾しない。それ以外に炭素源は存在しないからである。

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